奈良の大仏 重さ








東大寺の大仏の大きさが怖い、あの15mもある図体、大きな顔で見つめられるのが怖い。

三好三人衆の恐怖は、勢いに任せて将軍・足利義輝を殺害した時から増幅している。

道理に反した事もすることで、なんとか勢力を拡大してきたのだが、

夜な夜な、三好三人衆は悪夢を見るようになっていたのだ。

それでも政敵は倒さねばならず、大和の松永久秀を追いつめるべく、

東大寺にまで兵を進めるまでは良かった。


東大寺大仏殿に本陣を取り、明日の決戦を前に束の間の休息を取る。

三好三人衆は東大寺大仏の足元で仮眠を取ることにしたのだが、その場所が怖い、怖い。





あの東大寺大仏の大きさが自分の良心の呵責となり、心の隙間に迫ってくる。

大仏の大きな身体が自分の上に迫ってくるような恐怖に襲われ、眠るどころではない。

お前は自分たちの欲望のために、多くの人々を殺めてきていないか?

東大寺の大仏は、その大きさで全てを見抜き、悪党どもに自責の念を投げかけてくる。


丁度その頃、松永久秀の夜討ちがあり、大仏殿付近がざわついてきた。

火が放たれ、銃声が鳴り響き、兵たちの掛け声が辺りに聞こえる。

恐怖心に冷静な判断を狂わせた三好三人衆が、誤った指令を出してもおかしくない。


「良いか者共、今からこの東大寺大仏殿に火を放ち、

敵の動揺を引き出した後、敵城まで攻め上がるぞ!」


東大寺の大仏の大きさが怖くて、怖くて。

これが史実かどうかはさておき、この時の三好三人衆と松永久秀の東大寺の戦いにて、

東大寺大仏殿は焼失し、東大寺の大仏の頭部も戦火に失っているのだ。